魅力あふれる韓国。音楽、ドラマ、映画、アート、食事、コスメ、ファッション、観光、伝統文化、情(人)、などなど、惹かれるもの、そして惹かれていった過程は個々人ごとに多種多様ですよね。
今月の投稿に与えられたテーマは、自分が韓国LOVERSになったストーリーとともに素晴らしさを紹介するというもの。自分自身に、何が好きなの?なぜ何度も韓国に行っているの?と問うても、ありとあらゆる事が好きなので難しいのですが。必死に考え絞った2つが、最初に関心を抱いたきっかけの日韓の歴史問題や資料館・博物館巡りと、ソウルにある王宮で開催される『夜間「特別」観覧』。今回は王宮の『夜間「特別」観覧』を中心に、過去の自分のKOREA.net名誉記者団への投稿も交えて紹介したいと思います。
⚫︎常時夜間観覧ができる「徳寿宮」
私が初めて韓国に行ったのは意外と遅く、2013年の春でした。その時は全州北道にある城郭の「高敞邑城(コチャンウプソン)」を訪問。ソウルにある王宮は車窓から眺めただけでしたが、案内して下さった方が景福宮の光化門について、当時植民地支配していた日本軍が破壊しようとしているのを、柳宗悦という日本人が守ろうと尽力したというエピソードを教えてくれました。高校生の頃に「指紋押捺」問題を知り、在日コリアンや日韓の歴史の問題はなんとなく気になってはいても、他の社会問題に取り組んでいて深い関心を寄せてはこなかったことをとても反省し、その後の渡韓では歴史博物館や資料館などに行くようになりました。
そして、元々伝統文化に関心があるほうで、韓国ドラマの中でも時代劇が好きだったので、王宮や史跡巡りも楽しむようになりました。
韓国旅行初心者の頃は王宮も昼間の観覧をしていたので、初めて夜間観覧をしたのは2015年春。常時夜間ライトアップをしている「徳寿宮」でした。その美しさにすっかり魅せられて翌2016年には、景福宮の期間限定夜間観覧、そして当時は期間限定だった昌慶宮の夜間観覧(現在は常時観覧できる)に、渡韓のタイミングを合わせました。
⚫︎昌徳宮の『夜間「特別」観覧』:「月明かり紀行」
最初は韓国旅行は年に2回程度だったのですが、チャンスがあれば夜間観覧に行こうと思うようになっていたところ、2017年の秋、昌徳宮で開催される期間限定の『夜間「特別」観覧』イベント「月明かり紀行」の開催を知ります。開催日程やチケットの発売案内はわりと直前なのですが、偶然にも自分の渡韓のタイミングと開催日程が重なりました。
「特別」と強調してあるように、普通の夜間観覧とは違うスペシャルイベントです。世界遺産にも登録され、朝鮮時代の歴代の多くの王様も愛したという美しい殿閣と、王や王妃だけの秘密の森「後苑」を巡ります。ライトアップの素晴らしさはもちろん、普段は立ち入ることの出来ない区域を観覧したり、伝統国楽や舞踊を、伝統茶菓子をいただきながら観賞できるのです。
「月明かり紀行」の虜になってしまい是非とも次回も参加したいと、過去の開催日程から予測を立てて渡韓のスケジュールを立てたり渡韓の回数が増えたりと、私の韓活が加速していくことになります。いちど大雨で中止になってしまった事があるのですが、すっかり「月明かり紀行」のリピーターになってしまい、これまで5回参加しています。
「月明かり紀行」昌徳宮と後苑の夜間観覧イベント〜今秋はオンラインで満喫(吉岡香織、2021年) https://japanese.korea.net/NewsFocus/HonoraryReporters/view?articleId=204849
⚫︎景福宮「星光夜行」
「月明かり紀行」に参加してからの渡韓回数増加だけでなく、普段から韓国の情報チェックも頻繁にするようになりました。2019年には景福宮の『夜間「特別」観覧』イベント「星光夜行」の開催を知ります。夜の王宮を散策しながら、国楽演奏やお芝居を鑑賞。景福宮には王室の台所であった焼厨房にて、王室の方々が召し上がっていた宮廷料理や伝統茶菓子をいただけます。日本の方にはドラマ「チャングムの誓い」の水刺間(スラッカン)がわかりやすいかもしれません。コロナ禍以降にイベントが再開されてからはコロナ禍以前とコースが変わり、王宮の北側を巡るのですが、普段は立ち入れない、池の中央にある「香遠亭」まで橋を渡って行き王様と記念撮影をするのですが、緑色の丹青がライトアップされて翡翠のように輝いていて本当に煌びやかです。あまりの楽しさにこれまで3回参加しています。
「夜の王宮」ライトアップイベントを楽しんでみませんか(吉岡香織、2022年) https://japanese.korea.net/NewsFocus/HonoraryReporters/view?articleId=214228
⚫︎徳寿宮の『夜間「特別」観覧』:「夜の石造殿」
初めての夜間観覧をした徳寿宮でも、「夜の石造殿」という『夜間「特別」観覧』が開催されるようになりました。こちらは2024年に初めて参加できました。徳寿宮を散策した後、洋館の石造殿内を見学し、クラシック音楽演奏に包まれながら洋菓子をいただき、最後にミュージカル観賞をします。昼にも石造殿を見学した事があるのですが、やはり淡い光の夜の洋館の雰囲気は格別で、とても優雅な気分を味わえました。
⚫︎『夜間「特別」観覧』の解説
どの『夜間「特別」観覧』も解説付きで巡るのですが、美しさに感動したり楽しむのと同時に、王室の当時の生活や、朝鮮時代の歴史を学べるところも素晴らしい魅力のひとつだと感じます。みなさんご存知のように、日本と韓国には植民地支配という悲しい歴史がありますが、日本の義務教育では残念ながらほとんど教わることがありません。私たち日本人にとっては加害の歴史であるために解説者の方はとても気を使ってくださり、でも過去に起きた出来事を丁寧に説明してくださいます。たしかな歴史を知ることは、韓国の方々とのより良い関係を築く事に繋がるといつも感じます。思い出に残る写真を撮りながら散策を楽しむと同時に歴史への理解も深まると、韓国がより美しく輝いて見えるのではないでしょうか。
コロナ禍以降は、景福宮「星光夜行」と、徳寿宮「石造殿」は、英語の解説のみです。日本からの観光客数も増えているので、ぜひ日本語解説がおこなわれるように願っています。
今年の5月の『夜間「特別」観覧』は「宮中文化祝典」の時期に合わせて開催されたので、次の開催は秋だと思います。予約の方法も、以前よりずいぶん楽になりましたので、韓国観光公社や韓国旅行サイト、KOREA.netの情報をぜひチェックしてみてくださいね。
⚫︎これからも日々韓活
『夜間「特別」観覧』、歴史資料館・博物館巡り、他にも、日本軍「慰安婦」被害者のおばあさんと親しくなり生前に何度も会いに行ったり、BTSのコンサートに行ったり。2013に初めて韓国に出会って年2回ペースの渡韓だった私がどんどん幅広い韓国LOVERSになり、年間の渡韓回数は増え続けもうすぐ計50回を迎えようとしています。
いつ旅行しても楽しく、新しい発見があり、人々の心を掴んで離さない韓国。日本にいる時間でさえ、韓国ドラマや映画を見たり、音楽を聴いたり、韓国観光公社や文化院のイベントに参加したりと、「渡韓ごっこ」に勤しんでしまいます。
自分が感じた韓国の魅力や情報を少しでも多くの人と分かち合えたらとKOREA.net名誉記者団になったことも、渡韓回数が増えた要因のひとつでしょう。お役に立てるかは分かりませんが、いつもその気持ちを忘れずに渡韓と発信を続けて行けたらうれしいなと思います。
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