堤川駅にて 写真撮影=田尾秀子
今回私は、以前からフォローしている韓国在住の日本人ユーチューバー花緒さんの主催で、ご主人のお母様が春の野草料理を教えてくださるということで、
ソウルからKTXで1時間ほどの場所に位置する忠清北道の堤川までワークショップを受けに行ってきました。
◆ 堤川について参加する前に堤川がどのような所なのか下調べしてみると、堤川は薬草料理が有名で、古くから韓方材の名産地、集散地として栄えた歴史があるそうです。
堤川ではこうした韓方材のことを「약초 ヤクチョ 薬草」と呼び、日々の健康に役立てるとともに、美味しい食材としても活用してきたそうです。
私は堤川駅に到着したのが集合時間より早かったので、駅周辺を散策してみると、駅の向かい側には市場があり、またちょうどその日は市が立つ日だったので市
場以外にも新鮮な野菜や野草、鮮魚や干物、生活日用品など様々な露店が道路に沿ってたくさん立ち並び、活気が溢れていました。
そして韓方材の名産地という歴史があることもあって、薬草の専門店もありました。
◆ 野草摘み
オモニの家がある村は、堤川駅から車で約20分ほどの場所にあります。山がすぐ側にあり緑に囲まれた静かな所でした。予定では山へ野草を摘みに行くところでしたが、今年は暖かくなるのが早くて山の野草は殆ど摘み終わってしまい、残っている野草は成長しすぎて食べられないということで、オモニのご自宅の裏庭で
野草摘みをしました。
庭の野草が自生している場所は、私の目には雑草が生い茂ってるようにしか見えませんでしたが、説明を聞いてよく見てみると様々な野草が茂っていたので、そからヨモギ、セリ、フキ、を摘み、その他の野草はご近所の方が摘んできてくださったものや、乾燥したものを使いました。
ちなみに、山に自生している野草にはどんなものあるのかというと、쑥(スック よもぎ)、 머위 (モウィ ふき)、 돈나물 (トンナムル つるまんねんぐさ)、 돌미나
리(トルミナリ せり)、 곤드레(ゴンドゥレ 朝鮮あざみ)、 민들레(ミンドゥルレ たんぽぽ)、 두릅(ドゥルッ タラの芽)、달래(タルレ 野蒜)、고들빼기(コド
ゥルペギ イヌヤクシソウ )などが毎年春になると採れるそうです。
![](/file/thumbnail.do?img_physical=202442401536806.jpg)
◆ 野草料理の講習内容
쌈장サムジャンと 2種類の간장양념장 醤油ヤンニョムジャンの作り方
미나리전 セリチヂミの作り方 / チヂミの生地はチヂミ粉を使わず小麦粉と片栗粉、水で作るときのそれぞれの割合と焼き方や注意点
가지와 꽈리고추찜 ナスとしし唐辛子の蒸し物 / ナスとしし唐辛子を蒸すときには醤油ヤンニョムがよく絡むように、小麦粉をまぶしてから蒸すこと
배추겉절이 白菜の即席キムチの作り方
◆ 参加者全員で昼食オリエンテーションの時にはよもぎ餅とシッケをいただき、野草を摘んでから野草お料理の講習→作ったお料理と前もって用意してくださったお料理とでテーブルに並
びきれない程の豪華な食卓になりました。
◆ メニュー・ポッサム(ゆで豚 + 包み野菜 + サムジャン)
・セリチヂミ + 醤油ヤンニョムジャン
・コドゥンオジョリム(さばの煮つけ)
・ナムル(セリ、ワラビ、ゴンドゥレ、えごまの葉、フキ)
・ナスとしし唐辛子の蒸し物 + 醬油ヤンニョムジャン
・よもぎテンジャン(味噌)スープ
・野草ピビンパ
・マッコリ
なお、お料理に使用したコチュジャンやテンジャン(味噌)、カンジャン(醤油)はオモニの手作りです。庭にはそれらを入れて熟成させているハンアリ(かめ)が幾つも並んでいました。50年間欠かさず作り続けてるそうです。帰るときにはそんな大事なコチュジャンをお土産にくださり、貴重な味噌も分けていただきました。
◆ 感想
今回ワークショップに参加したことで、普段何気なく目にしていた雑草が、もしかしたら食べられるものではないのか?と関心を持つようになりました。
そして、頂いたどのお料理もオモニの손맛(ソンマッ=手の味)を感じる、おもてなしの心が伝わってくるような、どんなお店に行っても味わうことが出来ない美味しさでした。また、このワークショップを開催するにあたり、ご近所の方が野草を摘んできてくださったということを聞いて、人と人との繋がりや温かさを感じ、凄く素
敵に思いました。このような貴重な体験が出来てとても有難い気持ちでいっぱいになりました。
How about this article?
- Like13
- Support0
- Amazing0
- Sad0
- Curious0
- Insightful0